1. 富嶽三十六景や東海道五拾三次の超有名作も通期で展示
史上初めて日本三大浮世絵コレクションが揃う展覧会『The UKIYO-E 2020-日本三大浮世絵コレクション』が本日2020年7月23日(木・祝)より東京都美術館(東京・上野)にてスタートしました。
※写真は前日のプレス内覧会にて撮影
会場入口
日本を代表する芸術の一ジャンル『浮世絵』。江戸時代の庶民に愛好され、海を渡り多くの欧米アーティストたちに影響を与え、ジャポニズム旋風を巻き起こしたことで知られています。
本展は日本が世界に誇る浮世絵の魅力を紹介するため、質・量ともに日本三大浮世絵コレクションと称される『太田記念美術館』『日本浮世絵博物館』『平木浮世絵財団』の名品を結集。
各コレクションからそれぞれ約150点、保存状態も抜群の約450点の名品が展示されるのは史上初です(会期中展示替えあり)。
新型コロナウイルス感染症対策として、日時指定入場制を導入し会場内の混雑を緩和。館内の清掃・消毒・空調による十分な換気、マスク着用の徹底などにより、安心・安全に鑑賞できる工夫がされていました。
展示風景
展示会場は5章構成で、菱川師宣、鈴木春信、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川豊国、歌川広重、歌川国芳など総勢約60名の絵師の代表作を一堂に展示。
第1章:初期浮世絵
第2章:錦絵の誕生
第3章:美人画・役者絵の展開
第4章:多様化する表現
第5章:自然描写と物語の世界
なかでも史上初の3点同時出品となる鈴木春重『雪月花』、世界で唯一の現存といわれる東洲斎写楽『曽我五郎と御所五郎丸』、非常に珍しい歌川国芳『蛸の入道五拾三次』など3館のコレクションの中でも、特に素晴らしい逸品が惜しみなく出品されています。
葛飾北斎『冨嶽三十六景 山下白雨』ほか
浮世絵版画として世界で最もよく知られている葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』を含む『冨嶽三十六景』シリーズ、そして歌川広重の代表作『東海道五拾三次之内』は第5章に。
誰もが知っている、葛飾北斎『冨嶽三十六景』の三役『神奈川沖浪裏』『凱風快晴』『山下白雨』や、歌川広重『東海道五拾三次』の『庄野 白雨』『蒲原
夜之雪』は3館の所蔵品を入れ替えながら常時展示。超有名作を通期で鑑賞できるのは本展ならでは。同作品が並んでいる風景も、大変貴重です。
オリジナルグッズも豊富
展示会場を出るとオリジナルグッズの販売コーナーがあり、定番の『展覧会公式図録』は3,500円(税込、限定1万部)でした。
また、鑑賞に欠かせない『音声ガイド』(560円・税込)は会場入口の音声ガイドカウンターで。ナビゲーターは声優の杉田智和さんが担当し、スペシャルトラックには講談師・神田伯山さんが登場します。
感染拡大傾向のなか都道府県をまたぐ移動について、再び自粛ムードが高まってきました。1都3県にお住いの方、夏休みは都内の美術館など、リスクの低いおでかけがおすすめです。
(取材・文・撮影/落合 宏樹)
【The UKIYO-E 2020-日本三大浮世絵コレクション】
◇公式ホームページ:
https://ukiyoe2020.exhn.jp/
◇開催期間:2020年7月23日(木・祝)-9月22日(火・祝)
前期7/23-8/23、後期8/25-9/22
◇休室日:8/17(月)、8/24(月)、9/7(月)、9/14(月)
◇チケット:
※日時指定入場制です
※展覧会公式サイトからのみ購入できます
一般1,600円、大学生・専門学校生1,300円、高校生800円、65歳以上1,000円
◇会場:東京都美術館 企画展示室(東京・上野公園)
◇アクセス:
・JR上野駅公園口より徒歩7分
・東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口より徒歩10分
・京成電鉄京成上野駅より徒歩10分