日本カメラ博物館『二眼レフカメラ展』へ
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二眼レフの代名詞:ローライフレックス
『ローライフレックス(オリジナル)』(フランケ&ハイデッケ/1929年)
日本カメラ博物館(東京・半蔵門)にて特別展『いまも変わらぬ魅力 二眼レフカメラ展』がスタート。主なみどころをご紹介します。
1.一時代を築き現在も根強い人気がある二眼レフの歴史を辿る特別展
※本記事内の金額・料金表示はすべて税込です
※掲載内容は2022年2月12日現在です
1. 一時代を築き現在も根強い人気がある二眼レフの歴史を辿る特別展
一時代を築いた二眼レフの歴史を辿る特別展『いまも変わらぬ魅力 二眼レフカメラ展』が、東京・半蔵門にある日本カメラ博物館にて開幕。2022年2月8日(火)から6月19日(日)まで開催中です。

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『二眼レフ』がズラリと展示される『いまも変わらぬ魅力 二眼レフカメラ展』入口
『二眼レフ』カメラとは、ファインダー用レンズ(構図の確認とピント調節用のレンズ)と撮影用レンズ(実際にフィルムに記録するためのレンズ)を2個備えるカメラの総称で、世界中で人気を博し、様々な製品が作られました。

日本でも『リコーフレックスⅢ』が爆発的な人気を得るなど、カメラブームを牽引し一時代を築きました。

レンズ交換が可能で、ファインダーの画像と撮影画像に差異がない一眼レフの台頭などで、1960年代以降は徐々に主軸製品から退きましたが、柔らかい描写ながらシャープで繊細な写りで、いまも根強い人気があります。

本展では多数展示された実機とともに、誕生から現在に至るまで、『二眼レフ』の歴史を辿れる貴重な機会です。

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『アカデミー1号』(マリオン/1981年)
二眼レフの歴史は、1981年(明治15年)マリオン社が特許を取得し、販売が開始された『アカデミーカメラ』から始まりました。

技術の進化で感光材料の性能が向上し、瞬間撮影や手持ち撮影が可能となり、ファインダーの重要性が増していくなかで誕生し、試行や改良を重ね様々な製品が各社より販売されます。

二眼レフと言えば『ローライフレックス』をイメージされる方も多いでしょう。フランケ&ハイデッケ(ドイツ)が発売した『ローライ』シリーズは、完成度の高いカメラと豊富な周辺機器により、長期間にわたって二眼レフカメラの代表機種となりました。

幅広く網羅し出願・取得した数々の特許により、ロールフィルムを使用する二眼レフカメラを他社が製造することは困難でした。

『ローライフレックス』は1937年の『オートマット』で二眼レフカメラの頂点に立ち、1964年に発売された『28F』が発展の頂点とされています。

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『マミヤ C330 プロフェッショナル』(マミヤ光機/1975年)
第二次世界大戦が終結し、ドイツの特許および商標が連合国に没収され公開されると、『ローライ』に似た構造のカメラが世界中で製造されるようになり、なかでも盛んだったのが日本です。

1950年代には「頭文字がAからZまでそろう」と言われるほどの二眼レフカメラが販売され、特に1950年に発売された『リコーフレックスⅢ』は戦後のカメラブームの牽引役となりました。

二眼レフ機の課題だった『レンズ交換』を実現したのが、マミヤ光機から1956年に発売された『マミヤフレックスプロフェッショナルC』シリーズ。1983年の『マミヤフレックスC330プロフェッショナルS』を最後の製品として、1994年(昭和6年)まで生産されました。

結果としてマミヤフレックスが、二眼レフカメラの完成形を提示し実質的な最後を飾る形となったのは、日本人として感慨深いものがありますね。

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常設展エリアの『日本の歴史的カメラ』
日本カメラ博物館の常設展エリアもじっくり鑑賞しましょう。特別展エリアは常設展会場の奥に位置するので、順路としては常設展を見て、特別展を見る形となります。

常設展エリアでは、世界最初の市販カメラ『ジルー・ダゲレオタイプカメラ』や『日本の歴史的カメラ』約300点のほか『ライカコーナー』『カメラのおもちゃコーナー』、ピュリツァー賞を受賞した報道写真家・沢田教一のカメラなどを展示。カメラ好きにはたまらない展示内容です。

高性能のデジタルカメラ機能を備えたスマホの普及で、誰もがいつでも簡単に写真や動画を撮れる時代になりました。

一時代を築いたノスタルジックな『二眼レフカメラ』の世界をのぞいてみてはいかがですか?

(取材・文・撮影/落合 宏樹)
【特別展『いまも変わらぬ魅力 二眼レフカメラ展』】
◇公式ウェブサイト:
https://www.jcii-cameramuseum.jp/museum/2021/12/14/30965/
◇会期:2022年2月8日(火)-2022年6月19日(日)
◇開館時間:10:00-17:00
◇休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)
※GW期間中の4/29-5/8は休まず開館
◇入館料(常設展・特別展):一般300円/中学生以下無料
◇会場:日本カメラ博物館
〒102-0082 東京都千代田区一番町2
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◇アクセス:
・東京メトロ半蔵門線「半蔵門駅」4番出口より徒歩1分
・東京メトロ有楽町線「麹町駅」3 番出口より徒歩8分
***関連リンク***
■日本カメラ博物館(公式ウェブサイト)

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