1. スマートフォン映画やバーティカルシアターなど映像表現は新たな時代へ
アジア最大級の国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』(SSFF & ASIA)のアワードセレモニーが、2021年6月21日(月)に行われ、無料配信されました。
映画祭代表の別所哲也とフェスティバルアンバサダーのLiLiCo
報道関係者向けに用意されたセレモニー会場は明治神宮会館。新型コロナウイルス感染症対策として、作品関係者はリモートでの出演となりました。
セレモニーでは日本の映画祭では最多となる計4作品が推薦可能となった、翌年のアカデミー賞につながるオフィシャルコンペティション supported
by Sonyおよびノンフィクション部門の優秀賞の発表を始め、計14アワードの発表・授与が行われました。
『ユメミの半生』でのバーチャル撮影を振り返る松本穂香
感染症対策として関係者のみにて行われた、セレモニー開演前のレッドカーペットには、本映画祭代表の別所哲也とフェスティバルアンバサダーのLiLiCoが登場。
人気声優の木村昂さん、花澤香菜さんが映画祭の初MCとして登場。セレモニー中の壇上には、斎藤工さん、勝地涼さん、松本穂香さん、池田エライザさんらが登壇しました。
◎新プロジェクト『DIVOC-12(ディボック トゥエルブ)』発表
昨年より始動したプロジェクト『DIVOC-12』より、キャストで女優の松本穂香さん、上田慎一郎監督らが登壇。
『DIVOC-12』 は、12人の映像監督による12本の短編映画を製作するプロジェクト。大型LEDの背景が、撮影するカメラの動きと連動して動くことで、まるでその空間の中にいるような映像を撮影できる『バーチャルプロダクション』という技術を用いて撮影しています。
映画作品『ユメミの半生』で主演を務めた松本さんは、セット上での演技を振り返り「バーチャルの背景がシーンごとでガラリと変わり、衣装を変えて戻るとセットの雰囲気が変わっていて驚きました。」と撮影秘話を語りました。本作品は2021年の秋、劇場にて公開予定です。
「ショートフィルムだからこそ、時間の概念を揺るがす」(池田)
◎スマートフォン 映画作品部門 supported by Sony
クリエイターの表現の幅とチャレンジの機会をさらに広げ、スマートフォンならではの新しい映像クリエイティブの創出を目的とした今年初展開の新規設立部門として、最多数のエントリーがあった『スマートフォン映画作品部門
supported by Sony』。
審査員である池田エライザさんと内田英治監督、受賞した針谷監督と小林監督が登壇。
映画監督としても活躍する池田さんは「受賞作品は満場一致で『すごい!』となりました。ショートフィルムだからこそ、時間の概念を揺るがし解き放たれていて衝撃を受けました。私も挑戦したいです。」と笑顔で語りました。
『ジョージ・ルーカス アワード』受賞は『フィリピニャーナ』
◎ジョージ・ルーカス アワード
本映画祭の最高賞である『ジョージ・ルーカス アワード』は、ラファエル・マヌエル監督の『フィリピニャーナ』が受賞しました。
グランプリとなった『オフィシャルコンペティション supported by Sony』の優秀賞の他2作品とノンフィクション部門 優秀賞と共に、次年度の米国アカデミー賞短編部門にノミネート選考対象作品となります。
グランプリ発表を経て、別所は「25分という限られた時間で描かれるショートフィルムの作品が、アカデミー賞へ繋がっていきます。」とラファエル・マヌエル監督へ賞賛をたたえました。
ショートフィルムならではの魅力を改めて感じた本アワード。スマートフォンのみで撮影された映画や、バーティカルシアターなど映像表現は新たな時代を迎えたことも実感しました。
無料で観られる作品も多いので、公式サイトをチェックしましょう。
(取材・文・撮影/落合 宏樹)
【ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2021】
◇公式ホームページ:
https://shortshorts.org/2021/
◇開催期間:2021年6月11日(金)-6月21日(月)
※オンライン会場は4月27日(火)-6月30日(水)
◇上映会場:オンライン会場および都内複数会場
◇料金:無料上映 / 無料配信 ※一部有料