1. 季節・天候・時間と連動し“刻々と移り変わるデジタルアート緞帳”
明治座創業145周年記念企画として、チームラボによる新緞帳『四季喜昇座 - 時を紡ぐ緞帳』が2019年4月11日(木)より一般公開開始。10日におこなわれたプレス内覧会の模様とみどころをご紹介します。
創業145年を迎えた『明治座』(外観)
東京・最古の劇場として知られる『明治座』は、昨年(2018年)創業145年を迎えました。伝統的で古風なイメージがありますが、明治座によると「創業以来、常にその時代の新しい作品を取り入れてきた」とのこと。
確かに最近でも、タレントやアイドルの座長公演、2.5次元ミュージアムなど幅広いエンターテインメントを提供するなど、柔軟かつアグレッシブな社風を持ち合わせている。
そんな明治座が創業145年を記念して取り組んだ新施策が、今回公開された"刻々と変化するデジタル緞帳"『四季喜昇座 - 時を紡ぐ緞帳』だ。
(左)明治座:三田社長(右)チームラボ:猪子代表
緞帳を手がけたのは、様々なアート作品を世に生み出す、ウルトラテクノロジスト集団『チームラボ』。
緞帳(どんちょう)とは、舞台に設置される幕のひとつで、客席から舞台を隠すための幕のこと。日本独自の工芸美を凝らした美術品としての価値も持ち合わせる緞帳が、チームラボのデジタル・テクノロジーにより“刻々と移り変わる緞帳”として生まれ変わりました。
人物一人一人が緻密に描かれる。双眼鏡を持参しよう。
縦7m×横20mの巨大な緞帳には、明治座の前身である『喜昇座』を中心とした日本橋の賑わいを、チームラボ独自の技術による4k解像度と同等の高画質にてダイナミックに再現。
動く作品上には文明開化当時の町並みと共に、人物一人一人やその営みに至るまで緻密に描かれています。緞帳の中の世界は、日本橋のリアルタイムの天気と連動し、さらに季節や時間とともに常に変化し、四季折々の美しさを感じることができます。
プレス内覧会が行われた4月10日(水)は『春バージョン』として桜が咲き誇り、当日の日本橋は雨だったため、緞帳の世界にも雨が降っていました。
2F客席からの眺め
新緞帳は、原則として明治座主催公演における<開場から開演10分前まで>の時間帯にて公開予定。対象公演を観劇の方のみが見ることができます。
緞帳には、伊藤博文や西郷隆盛、明治座歌舞伎に縁が深い演目の人物なども登場するそう。オペラグラスや双眼鏡を持参すると、人物をアップで見えるので、より楽しめておすすめだ。
『四季喜昇座 - 時を紡ぐ緞帳』-春-
『四季喜昇座 - 時を紡ぐ緞帳』-夏-
『四季喜昇座 - 時を紡ぐ緞帳』-秋-
『四季喜昇座 - 時を紡ぐ緞帳』-冬-
明治座主催公演の開演10分前までしか見れない、チームラボの国内最新作。対象公演は明治座ホームページにて確認できますので、チェックしてみよう。
※予告なく変更や中止する場合あり。
(取材・文・撮影/落合 宏樹)