1. 未来を担う若手芸術家たちのショウケース
毎年恒例の『DOMANI・明日展』が2019年1月23日(水)より3月3日(日)にかけて、国立新美術館(東京・六本木)にて開催されます。21日(月)におこなわれたプレス内覧会にて会場の模様を拝見しました。
会場入口にて
『未来を担う芸術家たち 21st DOMANI・明日展 文化庁新進芸術家海外研修制度の成果』会場は国立新美術館2階企画展示室2E。
『DOMANI・明日展』はタイトル通り、文化庁新進芸術家海外研修制度により、海外派遣された若手芸術家たちの成果発表の場。
蓮沼昌宏の展示風景
研修を終えて比較的時間の短い、未来を担うフレッシュな芸術家たちのショウケースとして毎年人気があります。
今回、出展されているのは、9人の若手芸術家とゲスト作家の三瀬夏之介の計10名。
白木麻子の展示風景
エントランスから順に作家とジャンル、派遣年・派遣先、作品の主な特徴をご紹介する。
1) 和田的/陶芸/2007・パリ
動と静、光と影、直線と曲線のコントラストが静謐な佇まいに確かな存在感を与え、新たな陶磁器表現として注目される。
2) 蓮沼昌宏/現代美術/2016・フランクフルト
パラパラ漫画(フリップ・ブック)の原理で絵が動く装置「キノーラ」によるアニメーションを中心に、写真、絵画を制作する。
3) 村山悟郎/絵画/2015・ウィーン
雪の結晶やアリの巣、細胞膜の形成運動など有機的な構造に見られる自己組織的なプロセスやパターンを、絵画やドローイングを通して表現する。
4) 松原慈/インスタレーション・建築/2013・ラパト(モロッコ)
写真・音・テキスト・光の現象など様々な表現で構成された空間についての物語を提示し、存在/不在のバランスを問いかける。
5) 木村悟之/メディアアート/2016・ケルン
実写映像作品「軌跡映画」シリーズや《CINEMA》など、パフォーマンスとその記録映像によって構成される作品を発表。
6) 志村信裕/現代美術/2015・パリ
「光をあてる」をテーマに、映像プロジェクションによるインスタレーションを国内外で多数発表。
7) 川久保ジョイ/写真・現代美術/2016・ロンドン
写真や言語、空間インスタレーションなど多様なメディアで個人の体験と歴史上の様々な出来事を普遍的な問題へと媒介していく作品群を制作する。
8) 白木麻子/現代美術/2015・ベルリン
「物事の記憶の再生」と「形式や主体からの忘却」が絶えず繰り返される緊張関係の中で開かれた世界を再び読み解くことを自身の表現とし空間インスタレーションを発表。
加藤翼の展示風景
9) 加藤翼/現代美術/2015・シアトル
パブリックな場所に寝かせた巨大な建造物を、ロープを使って大勢で引っ張り上げる「引き倒し」あるいは「引き興し」と呼ばれる参加型のアートプロジェクトをおこなう。
10) 三瀬夏之介/ゲスト作家
既存の日本画の範疇を超えた作品を発表。具象・抽象を織り交ぜた多様なイメージが渾然一体となり「日本画とは何か」を問いかけながら絵画の可能性を追求し続けている。
いずれも独創的で意欲的な作品ばかり。新進気鋭の若手芸術家たちの意欲作をみにいきましょう。
(取材・文・撮影/落合 宏樹)
【未来を担う芸術家たち 21st DOMANI・明日展 文化庁新進芸術家海外研修制度の成果】
◇公式ホームページ:
https://domani-ten.com/
◇開催期間:2019年1月23日(水)~3月3日(日)
◇休館日:毎週火曜日
◇開館時間:10:00-18:00、毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
◇観覧料:一般1,000円、大学生500円
◇会場:国立新美術館2階企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
◇アクセス:
●東京メトロ千代田線 乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
●東京メトロ日比谷線 六本木駅 4a出口から徒歩約5分
●都営地下鉄大江戸線 六本木駅 7出口から徒歩約4分