1. 会場の空気感に指原も動揺。8年目のHKTはエース3人不在で新章へ
HKT48が、結成8年目最初のライブとして2018年12月15日(土)東京ドームシティホールで単独コンサート『HKT48コンサート in 東京ドームシティホール~今こそ団結!ガンガン行くぜ8年目!~』を開催。会場の模様をレポートします。
48グループ内でもピカイチのステージ力
コンサート直前の影アナは、HKT48から一時離れているエース宮脇咲良と矢吹奈子が担当。
二人は『produce48』オーディションを経て誕生したアイドルグループ『IZ*ONE』に専任するため、HKT48での活動を2年半休止することになっており、このコンサートは二人の壮行会という位置づけとなり、セットリストにも反映されていた。
HKTらしい連続アゲアゲ曲で盛り上げつつ、『メロンジュース』をフレッシュな5期生だけで披露するなど、8年目に向けた活性化も忘れない。メンバーたちも二人と同じステージに立つ意味をかみしめるように、涙と笑顔が入り混じる素敵なステージでした。。
咲良のソロ曲『彼女』
HKT48のみならずAKB48グループ全体としても、渡辺麻友卒業後の実質的センターを担っていたエース咲良。
咲良はユニットパートで同じ1期生の村重杏奈と『思い出のほとんど』を披露。前田敦子と高橋みなみに向けて秋元康Pが書き下ろした卒業神曲で、歌詞の一つひとつが胸アツの名曲。高校の卒業式などで流れたら、女子たちは絶対号泣ものでしょう。この日も涙を見せながら、ふたりでのラストになるかもしれないステージ(2年半後はわからないし)をかみしめていました。
見納めかも…なこみく『生意気リップス』
一方、高いアイドル性を指原に見出され、HKTのエース格に急成長していた矢吹奈子は、田中美久との『なこみく』ペアで、ふたりのユニット曲『生意気リップス』を披露。
イマドキJSが男を翻弄するキュートな歌詞が魅力の歌ですが、2年半の復帰後には二人も19歳。衣装も含め、さすがに厳しい可能性が高く、ふたり揃ってのパフォーマンスは今回で見納めになる可能性が高い。良い意味でライバルの二人は、日本・韓国それぞれでの成長に向け、未来志向を感じるステージでした。
その後もパフォーマンスはつづき、本編33曲、アンコール5曲(後述の理由で1曲を急遽追加)と盛り沢山。奈子は『いじわるチュー』、咲良は『彼女』のソロ曲をそれぞれ披露しました。
全体曲も多く披露されましたが、フロントはある程度固定しつつも、宮脇・指原だけに頼らず、奈子、美久、松岡はな、田島、朝長、秋吉など新旧混ぜた底上げも順調。このあたりは支配人兼任の指原のプロデュース力が大きいと思われます。
思わず涙をぬぐう卒業発表時の指原
アンコールを受け『早送りカレンダー』『HKT城、今、動く』を披露し、最後の挨拶へ。
咲良、奈子がグループを離れ成長して帰ってくることを、それぞれが誓って涙と笑顔で送り出し・・・と思いきや、指原が「ここで発表があります」と宣言。会場がどよめく中、卒業発表がありました。
<卒業発表時のほぼ全文>
私、指原莉乃はHKT48を卒業します。急になってしまって本当に申し訳ないんですけど、でも何年も前からずっと決めていて。すでに卒業コンサートの日程も一部のスタッフと話して決めています。
まずは卒業コンサートの日程を発表させてください。4月28日に、これちょっとびっくりすると思いますが横浜スタジアムで。
そして、福岡の皆様とのご挨拶はアイドルを卒業した後に、5月28日にマリンメッセ福岡で指原莉乃大感謝祭を行いたいと思います。
びっくりさせてしまって申し訳ないんですけど、ずっと前から心の何処かにあって、みんなが本当に大好きで、それにずっと甘えて、私もなかなか卒業発表できなくて、いつも「今日かもしれない、今日かもしれない」と思ってコンサートを進めてきました。でもこのコンサートをスタッフから教えられた時に、今日言いたいと思ったので、私の最後のわがままだと思って許してください。
すごく考えて、いっぱい考えて出した結果なので応援してくださると、私の背中を推していただけると、嬉しいです。
何を言っていいのかわからないんですけど、ギリギリまで一生懸命アイドルとして頑張ろうと思ってるので・・・ごめんね、本当に、申し訳ない。
申し訳ないとか、自分で決断したことなので、あんまり言いたくないけど、本当にHKT48が大好きなので、次のHKTがみてみたいな!と思います。応援よろしくお願いします!
(振り返りステージ上のメンバーに向かい)
本当に本当に信じてるから発表したから。奈子も咲良も、もっと強くなって帰ってくると分かっているし、帰ってきた時に、これまで二人が「こんなに守ってくれてたんだ」って思ってくれるくらいに頑張って欲しいの。私もギリギリまでもうちょっと頑張るから!
これには自身の休止前のラストステージとしか考えていなかった咲良や奈子をはじめ、メンバー全員が絶句。双眼鏡で見まわしましたが、全員が泣くか放心状態だったので、おそらくHKTのメンバーには誰にも事前に今日卒業発表すると告げていなかった模様。指原が咲良と奈子の気持ちを邪魔しないよう配慮したものと思われますが、その分、ステージ上でフォローできるメンバーが一人もおらず、会場もシーン、メンバーもシーンで、誰一人駆けよったり声もかけれず、指原も動揺するほどの空気感に。
指原が「みんな大丈夫?シンミリしないで!最後歌うよ、ラストいくよ」とアンコールラストの『引っ越しました』『草原の奇跡』をみんなで歌うも、会場は静まりかえったまま。
あまりの状態に指原が「こんなんで終わっていいの?仕方ない、もう1曲いく?明るい歌を歌を歌って終わろう!」とスタッフに要請し、急遽『桜、みんなで食べた』を披露。ようやく、会場からもコールが響き、メンバーも何とか笑顔をみせライブは幕を閉じました。
指原の卒業発表のタイミングは、咲良・奈子がいるステージ上が確かにベスト。中心となる2人に加え指原もいない中で、HKTがどう成長するか、勝負の8年目となりますね。
<指原莉乃卒業コンサート>は、HKT48劇場支配人兼務となった6年目となる2019年4月28日(日)横浜スタジアムにて、卒業後に<指原莉乃11年ありがとう!大感謝祭>を5月28日(火)マリンメッセ福岡にて開催されます。
(今回掲載の写真はすべて©AKS)
(取材・文/落合 宏樹)
【HKT48コンサート in 東京ドームシティホール~今こそ団結!ガンガン行くぜ8年目!~】
◇公式ホームページ:
http://www.hkt48.jp/
◇開催日:2018年12月15日(土)13:00開演
◇会場:東京ドームシティホール