1. 九州地鶏がメインの焼鳥フルコースを南青山・骨董通り沿いの隠れ家風店舗で
今年2月、南青山 骨董通り沿いにひっそりとオープンし、口コミで話題の焼鳥店『焼とり 常世長鳴鳥』へ。
カウンターを含む14席の店内で提供されるメニューは、九州の地鶏をメインとした『おまかせコース』(12,000円)。
焼鳥とワインのベアリングを愉しむ、大人デートにピッタリのお店です。
繊細で凛とした美しい店内、カウンター10席を含む全14席
歴史とモダンが交差するグルメタウン、南青山・骨董通り。看板は出さず小さな行燈のみを置き、骨董通り沿いのビル2Fでシークレット営業をスタート。
繊細で凛とした美しい内観は、日本の伝統美を訴求する、モダンながら心安らぐ温かな空間美。カウンター越しによく見える焼き場に、料理への期待が高まります。
お酒とのペアリングも重視され、COEDO白(950円)などの国産クラフトビールを始め、白州NV(1,500円)、百年の孤独(900円)などの和酒や、常世レモンサワー(1000円)、宮崎都農ワイナリーの日本ワイン(グラス1,500円)、鹿児島の天賦
純米吟醸(900円)など豊富なラインナップ。
一番人気は『ワインのペアリングコース』(8,000円)。焼とりに合わせ、おすすめのワイン5杯が提供されるので、お得なうえに「次は何かな」というワクワク感がたまりません。
ソバーキュリアス向けにノンアル系も充実しており、伊藤農園みかんしぼり(850円)、八街 生姜ジンジャエール(900円)、アラン・ミリア ロゼグレープジュース(900円)などが揃っています。
備長炭で一本一本丁寧に焼き上げる
焼鳥職人の大澤 利博氏は、北千住の名店『バードコート』で研鑽を積み、2014年に横浜の青葉台で焼鳥とワインのお店『POULET VIN(プーレヴァン)』を独立開業。
開業翌年に横浜版のミシュラン ビブグルマンに選出された実力者で、今回の『焼とり 常世長鳴鳥』立ち上げに志願し抜擢されたそう。
そんな大澤氏が得意とするのが、焼鳥とワインのマリアージュ。
修行時代は毎月のように産地に足を運び、生産者や加工場の方々と関係を深めてきたそうで、生産者の想いを乗せた『おまかせコース』一本で勝負します。
8品目『生つくね、キンカン、宮崎県産キャビア』
おまかせコースで提供されるのは、季節の食材を中心にした全17品と、かなり充実。
焼鳥に使用されるのは、鹿児島や宮崎の生産者や加工場から直接仕入れる朝引きの新鮮な地鶏。焼き師が備長炭で一本一本丁寧に焼き上げ、素材の持つ旨みを最大限に引き出します。
串の合間に提供される、季節の素材を使うなど、こだわりの一品料理もお楽しみのひとつ。
1品目は、2日間じっくりと煮込んだ鶏ベースのコンソメスープ。グラスで提供されるスタイルが粋です。
2品目は『地鳥のお刺身』で、胸肉のたたき、砂肝、ささみの昆布じめ。九州の甘醤油やお塩で味わいます。
同店名物『地鳥のメンチカツ』は5品目に。鶏肉100%でジューシーなメンチカツを、自家製ソースでいただきます。
焼鳥は定番部位に加え希少部位も
焼鳥は黒さつま鷄や、みやざき地頭鶏を使用した、もも肉、ねぎま、せせりといった定番部位に加え、白レバーや背肝などの希少部位もその日の仕入れ状況によって提供。
この日の焼鳥は
・3品目:宮崎県産カラスミ
・4品目:ふりそで(手羽元と胸肉の間のお肉)とネギ
・7品目:おしり=ぼんじり
・11品目:せせりを梅マスタードで
・12品目:肝(レバー)
・14/15品目:2つが選べる希少部位、手羽、砂肝、ハツ
の順で提供。絶妙な焼き加減の焼鳥は、もちろん最高の一言でした。
全17品の中で、最も印象に残ったのは、8品目の『生つくね、キンカン、宮崎県産キャビア』。
海苔を手で巻いて一口で。口の中で広がる美味しさと香り、なんとも贅沢な味わいでした。
16品目は、ご飯または中華麺。『両方』がおすすめです。
ご飯は、たけのこご飯or稲庭中華麺で、鶏のお味噌汁、キンカン、ちりめん、漬物つき。
17品目は甘味『抹茶のわらびもち』。上品な味わいでコースを締めました。
お酒もノンアルも豊富なラインナップ
2品目『地鳥のお刺身』
同店名物『地鳥のメンチカツ』
締めのデザート『抹茶のわらびもち』
店名の由来は日本神話に登場する伝説の鳥『常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)』から。
神秘的な鳥の名を冠した同店で、大切な人と極上の地鶏焼鳥を味わいましょう。
(取材・文・撮影:落合 宏樹)