1.HKTメンバーに新劇場公演の約束と芸能事務所契約の置き土産
2019年4月28日(日)横浜スタジアムにてHKT48『指原莉乃 卒業コンサート~さよなら、指原莉乃~』が開催され、渡辺麻友、松本人志、北原里英らがサプライズで登場。HKTメンバーにも置き土産を残すなど、最後までプロデュース力とHKT愛を発揮したイベントの模様をご紹介します。
オープニングはHKTメンバー全員と
AKB48グループ内で抜群の一般知名度を誇り、劇場支配人を兼任するなど運営にも携わる指原莉乃が、ついにグループを卒業する。
コンサートにはAKB48グループのうち、指原の所属するHKT48メンバー58名全員(休業中の児玉遥、IZ*ONE専任中の宮脇咲良・矢吹奈子は欠席)に、国内各グループ選抜メンバーを加えた計75名が出演した。3万800人のファンが卒業にエールを送った。
セットリストは本編33曲+アンコール5曲の大ボリューム。48グループの卒コンでは本人プロデュースが恒例となっているが、構成や演出はもちろん指原本人。内容はほぼほぼHKTコンサートと言える構成でHKT48メンバーとの絡みを中心に、HKT愛を強く感じさせる内容だった。
特ににじみ出ていたのは『ステージ不在の3人への想い』。咲良と奈子とは、それぞれ画面上で共演でき、愛に溢れるメッセージも受けとれたものの、2017年から休業中の児玉遥とはこの日も同じステージに立てなかった。
本編最後の曲『今 君を想う』では、曲振りで「本当は、ここにいて欲しかった3人への気持ちも込めて歌います」と宣言。ステージ上には3つのスポットライトが照らされ、間奏部分で指原はマイクを通さず、3人へのメッセージらしきものを語りかけていた。
内田裕也に扮して登場する松本人志
指原の卒業を祝うため、多くのゲストが登場。ダウンタウンの松本人志が3月に死去したロック歌手・内田裕也さんに扮しサプライズで登場。
松本は「裕也さん、僕じゃないです、コイツがやれって言ったんです!」と内田さんに釈明。「悪いやつなんですよ、コイツ。『炎上止めたの私でしょ』とか」と続けると、指原も「松本さん、干されなくて良かったですね!」と乗っかり笑わせた。最後は手を合わせてハートマークを作り盛り上げるなど、終始ご機嫌だった。
松本の前では、先に卒業した元エース・渡辺麻友(まゆゆ)がサプライズで登場すると、会場はこの日一番の大歓声。ふたりのユニット曲『アボカドじゃね~し…』を久々に披露した。指原の軌跡を振り返るオープニング映像やアンコール直前のナレーションも渡辺麻友が担当しており、このあたりの演出力もさすがだ。
同期の北原里英も登場したが、Not yetのメンバーでもある大島優子との共演はならなかった(大島は公演後にツイッターで祝福)。
『私だってアイドル!』
後半は指原のソロ曲やHKT48の代表曲で、コンサートを盛り上げるのも忘れない。
指原が「1番好きかも」という卒業ソロ曲『私だってアイドル!』や、コラボ曲『Get you!』、そしてHKT自慢のアゲアゲ曲『メロンジュース』『12秒』『最高かよ』で怒涛のラストスパート。
本編が残り1曲となったところで、指原から2つの発表が。1つめはHKTメンバーへ最後の贈り物として、指原全曲書き下ろしによるHKT48の劇場新公演『いま、月は満ちる』公演の開催を発表。メンバーは感謝で大粒の涙を流すも、指原は「完成したかのようなVだったけど、実はまだ1曲しか書けてないの、ほんとゴメン」と告白。笑いに変えたのち「すぐに書くから。約束する。みんなで作り上げていってください。頑張ってね」と、メンバーへエールを送った。
2つめの発表は「特に心配している」という『村重杏奈』の芸能事務所TWIN PLANETへの所属が決まったことを発表。指原は「村重だけじゃないよ、みんな大事だし真剣に考えているから」とメンバー全員に語り掛け、前述の『今
君を想う』をHKTメンバー全員で熱唱し、本編は幕を閉じた。
王冠の中でポーズする指原
アンコールは指原の卒業セレモニー。波乱万丈だった『指原莉乃11年間の軌跡』映像が流れたのち、純白のドレス姿で指原が登場。
HKT48劇場支配人を兼任している指原は、卒業スピーチでは異例の運営へのお願いから始めた。
「特にマネージャー陣に、これからのHKTに関してお願いがあります」と切り出し「メンバーの話をちゃんと聞いてあげてください。メンバーみんな、人生をかけてアイドルになっています。だからこそ、みんなの話をしっかりと聞いてあげてほしいです」と切実に訴え「(メンバーが)間違う場合もあります。その時は目を見て一から教えてあげてください。ワンマンになってはいけません。みんなでHKT48です。これからも風通しのいいHKTでいてね」と託した。HKTメンバーを一番におきつつも、もちろんNGTやAKSを視野に入れた切実なメッセージだろう。
そして「メンバーのみんな、仲良くしてくれてありがとう。何より大切な宝物です。みんなに出会えてよかったです。私は11年間本当に幸せでした。アイドルになったことを後悔したことは一度もありません。本当にありがとう」と締めくくり、最後は前人未踏の総選挙3連覇を達成した指原をイメージした、王冠の中でポーズをとり、11年間のアイドル人生に幕を閉じた。
HKTを背負う松岡はなと
咲良とは画面上で共演
麻友と久々の『恋チュン』ダンス
囲み取材フォトセッション
終演後の囲み取材では、さすがのトーク力でハキハキと笑いを交え答えてくれたが「48グループへの心残りは?」という質問には真剣な表情に。
「(自身の卒業発表とNGT騒動の)タイミングが丁度重なって」とNGT問題に言及し、「私も会社の人たちにどうしたらいいのか、こうすることはできないのかと、何度も声をあげました。私一人の力で動くようなものではないんだなと、改めて社会・会社というものの厳しさに気づきました。」としつつ、「全てを一からやり直さなければならないと思っているので、私にできることがあれば手伝いたい」と卒業後もメンバーの手助けをすることを明言。
卒業スピーチについては「元々、HKTは風通しがいいグループではあるんですけど、やっぱり人間と人間なので、コミュニケーションが大事」と強調した。
指原は、5月28日(火)にマリンメッセ福岡で開催される『指原莉乃11年ありがとう!大感謝祭』がラストステージ。平日ということで、IZ*ONEで活動中の宮脇咲良、矢吹奈子の参加もあり得そう。休業状態がつづく児玉遥の復帰の第一歩になることも期待したい。
(取材・文・撮影/落合 宏樹)
【指原莉乃 卒業コンサート~さよなら、指原莉乃~】
◇開催日時:2019年4月28日(日)開場15:00/開演17:00/終演21:00頃
◇会場:横浜スタジアム
◇観客数:約30,800人