東京国際映画祭ラインナップ発表会、橋本愛『TIFFに救われた』
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吉田恵輔監督(左)と橋本愛(右)
六本木から日比谷・有楽町・銀座にエリアを移転して開催される『第34回東京国際映画祭ラインナップ発表記者会見』が都内で行われ、フェスティバル・アンバサダーを務める橋本愛が登壇。TIFFへの思いや注目作品を明かしました。
1.オープニング作品は『クライ・マッチョ』、クロージング作品は『ディア・エヴァン・ハンセン』
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※掲載内容は2021年9月29日現在です
1. オープニング作品は『クライ・マッチョ』、クロージング作品は『ディア・エヴァン・ハンセン』
2021年10月30日(土)から開幕する『第34回東京国際映画祭』のラインナップ発表記者会見が、9月28日(火)『東京ミッドタウン日比谷 BASE Q HALL』にて開催され、各部門の上映作品ラインナップ発表・審査委員・各イベントの魅力・見所が発表されました。

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『空白』
©2021『空白』製作委員会
今年から、開催エリアが従来の六本木地区から日比谷・有楽町・銀座エリアへ移転し、プログラミング・ディレクターの変更、部門の改編などもあり、東京国際映画祭は新たに生まれ変わるります。

会見ではMCより、映画祭におけるコロナ対策や検査体制、会場移転、TIFF&TIFFCOMの連携などが紹介され、本年度のビジュアルを手掛けたコシノジュンコさんからのビデオコメントや、安藤裕康チェアマンより開催の挨拶と本年度の映画祭のビジョンに関し発表がありました。

今回は113の国と地域、1,533本もの応募の中から15作品がコンペティション部門に選ばれ、日本からも松居大悟監督『ちょっと思い出しただけ』と、野原位監督『三度目の、正直』の2 作品が選出されました。

会場にはゲストとして、第34回東京国際映画祭のフェスティバル・アンバサダーを務める、女優の橋本愛さん、本年度より新設された『Nippon Cinema Now」部門において特集する??田恵輔監督などが登壇しました。

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オープニング作品『クライ・マッチョ』
©2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
東京国際映画祭では昨年からのコロナ禍の中で『映画館で映画を観る喜び』を伝えるべく、映画館でのフィジカルな上映を基本姿勢としており、オープニング作品、クロージング作品は、まさにその喜びを体験できる作品となりました。

オープニング作品はハリウッドの伝説、クリント・イーストウッド監督が主演も兼ねた最新作『クライ・マッチョ』。クリント・イーストウッド監督の50周年記念作品でもある本作は、人生に失敗した男と親の愛を知らない少年が、メキシコを横断していく中で人生に必要な『本当の強さ』とは何なのか?を見出していく感動作。

予告編を見るだけで胸アツで期待が高まるばかりの本作が、東京国際映画祭の開幕を盛り上げます。

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クロージング作品『ディア・エヴァン・ハンセン』
©2021 Universal Studios. All Rights Reserved.
クロージング作品は『 ディア・エヴァン・ハンセン』(ジャパン・プレミア)。先のトロント国際映画祭のオープニングを飾った本作は、『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』の音楽チームで贈る大ヒットミュージカルの映画化作品で、1通の手紙と“思いやりの嘘”をきっかけに<本当の自分>に気づくまでの過程を描く、希望に満ちた物語が映画祭の終幕を飾ります。

コンペティション部門の出品作品は以下の15作品。プレミアについては全く重視しなかったそうだが、結果的に10作品がワールド・プレミア、5作品がアジアン・プレミアとなった。

<コンペティション部門の出品作品一覧>
(作品名/プレミア/監督名:製作国)
◎『アリサカ』/WP/ミカイル・レッド:フィリピン
◎『カリフォルニー』/AP/アレッサンドロ・カッシゴリ、ケイシー・カウフマン:イタリア
◎『クレーン・ランタン』/WP/ヒラル・バイダロフ:アゼルバイジャン
◎『ザ・ドーター』/AP/マヌエル・マルティン・クエンカ:スペイン
◎『その日の夜明け』/WP/アソカ・ハンダガマ:スリランカ
◎『四つの壁』/WP/バフマン・ゴバディ:トルコ
◎『オマージュ』/WP/シン・スウォン:韓国
◎『ちょっと思い出しただけ』/WP/松居大悟:日本
◎『市民』/AP/テオドラ・アナ・ミハイ:ベルギー/ルーマニア/メキシコ
◎『一人と四人』/WP/ジグメ・ティンレー:中国
◎『もうひとりのトム』/AP/ロドリゴ・プラ、ラウラ・サントゥージョ:メキシコ/アメリカ
◎『復讐』/WP/ブリランテ・メンドーサ:フィリピン
◎『ある詩人』/WP/ダルジャン・オミルバエフ:カザフスタン
◎『三度目の、正直』/WP/野原 位:日本
◎『ヴェラは海の夢を見る』/AP/カルトリナ・クラスニチ:コソボ/北マケドニア/アルバニア

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フェスティバル・アンバサダーに就任した橋本愛
自身初のフェスティバル・アンバサダーとして登壇した橋本愛は「これまでもプライべートや、出演作でレッドカーペットを歩かせていただいたり、舞台挨拶をさせていただいたりと、東京国際映画祭とはご縁があったのですが、今回は新たなご縁があってすごく嬉しいです。映画というものが日本という島国において、より地中深く根を張って、皆さんの生活にはびこって、根付いてほしいなと願っています」と挨拶した。

プライベートで訪れていたTIFFについては「この時期、空いている日があるときには映画祭のHPでプログラムを検索して『あ、今この映画をやっているんだ』と良く観客としても映画祭には通っていました。自分の人生が救われた経験もあります。映画祭で観た『エンドレンス・ポエトリー』という作品の中に『愛されなかったから、愛を知ったんだ』という印象的なセリフがあるのですが、得られなかったものがあるからこそ、自分が何を得たかったのかということが分かると気付けて。だから、この人とうまくいかないなぁというのは、その人のことを大切に思っているからなんだと感謝の気持ちが生まれました。」と過去の経験を振り返っていた。

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メインビジュアル
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『ザクロが遠吠えする頃』
[When Pomegranates Howl]
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『アリサカ』
[Arisaka] ©TEN17P
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『よだかの片想い』
©島本理生/集英社 ©2021映画「よだかの片想い」製作委員会

今年のTIFFで観たい作品を聞かれた橋本さんは「オープニング作品にもなっている、クリント・イーストウッド監督の『クライ・マッチョ』です。あと、私はダンスや舞踊など身体芸
術が好きなので、田中泯さんの作品が楽しみです。」と語られました。

こういう時代だからこそ、作り手の思いやメッセージを、映画館のスクリーンを通じて感じたい。そんな思いが強くなりました。

『第34回東京国際映画祭』は10月30日(土)から日比谷・有楽町・銀座地区にて開催され、上映スケジュールは10月上旬より公式サイトに掲載予定。

チケットは10月23日(土)より発売です。

(取材・文・撮影/落合 宏樹)
【第34回東京国際映画祭】
◇公式ホームページ:https://2021.tiff-jp.net/
◇開催期間:2021年10月30日(土)-11月8日(月)
◇会場:日比谷・有楽町・銀座地区
(角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、東京国際フォーラム、TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 日比谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、有楽町よみうりホールほか)
◇チケット:10月23日(土)より発売
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